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評価:
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<<評価:★★★★☆>>
OPに「Peter Greenaway」の文字が現れ、ピーター・グリー・・・ピーター・グリーナウェイ。グロいんだな、と云う或る意味覚悟に近い心構えを持った。そのすぐ後に「Tim Ross」の名前を視て、古い映画なのに少しでも知っている俳優が出ていることにテンションあがりました。なにせ生まれた頃の映画なだもんで。
あらすじはあまり必要としない作品です。そのわけはタイトルの通り、コックと泥棒、その妻と愛人の話だから。
始まりから男が暴行されるのですが、その後に横にある厨房へ平行にカメラが動き、だだっ広い厨房の中で調理するコックが規則的に働き、なぜかその中につんざく様に響くソプラノの聖歌を歌う見習いの少年がおり、最後にレストランの中で泥棒たちが食事をするテーブルに辿り着きます。所謂「長回し」がひたすらに長い。とっても贅沢にセットを作っているから出来ることなんだけどね。グリーナウェイのセットは縦にも長い。
泥棒たちが囲むテーブルには、何でも下品に話すボスである泥棒が真ん中にいる。その隣にいつもファッションショーな衣装で座っているのが妻。他のテーブルで一人本を読みながら静かに食事をしているのが、後の愛人。コックは最初のその他大勢とでも云うべきか。
汚く料理を食べる泥棒一行に「ちょっとトイレに・・・」と妻が云えば、計ったように愛人は立ち上がり彼女を追って化粧室や厨房にも入って行く。
レストランの赤から厨房のグリーンへ、縺れるように愛人と妻が移動すれば、同じく衣装も赤からグリーンへ変わる。レストランから化粧室へ行けば衣装は白に。見間違いかと思った変化は実際に起きている。
細部に凝らされた美への追求、この監督の作品は綺麗だ。
誰がなんと云おうが綺麗だと断言致したいとろこです。グロくないと云えば嘘になるのですが、平気な方は是非観て頂きたい作品です。綺麗なグロテスクを知らないなんて勿体ない・・・。
